相続トラブルの原因は様々

遺言が無い法定相続の場合に起きやすい

遺言が無い場合は民法の規定による法定相続になります。法定相続人は一定の親族の方です。遺産の配分は相続人全員による遺産分割協議にて決まりますが、この協議の場での争いが増えています。

遺言書の作成が普及したことに伴い、一方では遺言書の無効やこの遺留分が侵害された内容によるものや、民法改正により寄与分が認められたことによる寄与分の認定をめるぐものなど、当事者が多人数になり、権利関係が複雑化し、客観的な証拠が希薄で、当事者が感情的になりやすくなど、紛争が解決に至るまでの期間が長期化しています。

相続争いは遺産の多い少ないに関係なく、どこの家庭でも起こりうることです。家を守るという意識の微妙な変化や、権利を主張することが当然になりつつあり、家族関係の変化や複雑化と併せて、もめる原因はこころや感情かもしれません。

家庭裁判所の事件数も年々増加

遺産分割調停で相続人の話し合いがつかなかった場合に、家庭裁判所が遺産の分割を決める手続きである、遺産分割調停および審判は年々増加しています。最近の傾向として遺産総額が低額の紛争が増えています。

裁判所での審理期間は、6か月以上を超えるものが半数以上、3年を超えるものも5%以上あります。その審理回数についても、6回から10回が多数を占め、11回以上に渡るケースも17%以上になっています。

被相続人が遺言書を遺さないで亡くなった場合で、遺産をめぐる紛争が起き、相続人間で話し合いがつかずに裁判所へ持ち越しても、多くの時間と費用が掛りまし、それ以上のものを失う結果になります。



長期化する背景

遺産分割は、親族間の紛争という特殊性や過去の人間関係の積み重ねに起因する紛争内容の複雑性から、相続人全員の合意が得られるまでの期間が長期化している傾向にあります。

その原因は、家という共同体意識が希薄化し相続人の権利意識が上がってことがあります。縁が遠かった親戚が代襲相続などで相続人になった場合などです。

親族間の紛争である遺産分割協議は、その特殊性から感情的な対立が起きやすく、自分の相続分を確保するために、利用できる手続上および法律上の主張はすべて主張し尽くそうという傾向も拍車をかけています。

また、高齢化社会の到来により、相続人が高齢であり、身体上の病気や事情から協議に参加できないケースや、判断能力を欠く事態なども増えつつあることです。

分割協議がまとまらない事例

遺産分割協議でもめる原因は、相続人・被相続人・その他親族の言動や状況による、各相続人の事情や見解の差によるものです。

・相続財産の大半が不動産で、各相続人への分割可能な財産がない

・相続財産全体がつかめない(財産目録が無いや不正確)

・相続財産が各相続人の予想を超えて多い、または少ない

・被相続人が特定の相続人に多額の贈与をしていた

・相続人に、後妻、養子,非嫡出子など血縁関係のない人がいる

・相続人以外の人が遺産分割協議に口出しする

・相続に関する知識を自分本位に解釈する人がいる

・遺産分割協議に参加しない人がいる

・相続人に自分の意見が無く、すべて人任せの人がいる

・相続人の中にまとめ役がいない、またはまとめ役が信頼されていない

協議をする前に財産目録や法定相続割合、遺留分などを整理しておき、話し合いの土俵を用意しておくことが大切です。

相続争いのデメリット

遺産相続争いは、親族間で取り返しのつかない不幸な結果を招きかねません。それ以外にもこんなデメリットがあります。

・時間をいたずらに浪費する

・精神的に体力的にも消耗する

・余計なお金が掛る

・遺産分割後にしなければならい手続きが遅れる

相続争いをしている間に、時間もお金も浪費する事になります。費用対効果では効率がよくありません。話し合いの中でお互いがある程度譲歩できることを探すことも大切です。

最後は家庭裁判所

被相続人が亡くなり,その遺産の分割について相続人の間で話合いがつかない場合には家庭裁判所の遺産分割の調停を利用することができます。この調停は,相続人のうちの1人もしくは何人かが他の相続人全員を相手方として申し立てるものです。調停は相手方の住所地の家庭裁判所に申立てます。

調停手続では,当事者双方から事情を聴いたり,必要に応じて資料等を提出してもらったり,遺産について鑑定を行うなどして事情をよく把握したうえで,各当事者がそれぞれどのような分割方法を希望しているか意向を聴取し,解決案を提示したり,解決のために必要な助言をし,合意を目指し話合いが進められます。話し合いがまとまると、その結果は「調停調書」に記載されます。この調書は確定した審判と同じ効果があります。

なお,話合いがまとまらず調停が不成立になった場合には自動的に審判手続が開始され,家事審判官(裁判官)が,遺産に属する物又は権利の種類及び性質,各相続人の年齢,職業,心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮して,審判をすることになります。

管轄裁判所は、相続開始地になります。家庭裁判所が取り扱う家事事件のなかで、最も困難が事件として長期に渡ることや、未済となりやすいのが実情の様子です。

調停は相手方の住所地で、審判は被相続人の最後の住所地の家庭裁判所になりますので、ここでも時間とお金を浪費することになります。


行政書士の相続業務について

いざ相続になり、遺産分割協議で紛争がある場合には、弁護士の業務になります。不動産等の登記変更は司法書士の業務になります。

行政書士の相続業務は、相続人の範囲を確定する資料の収集、遺産分割対象を確定する資料の収集、遺産の範囲の調査などの、事実証明としての戸籍や証明書の収集とそれらを整理する帳票の作成になります。

遺産分割協議書の作成では、協議そのものに参加することはあり得ません。協議できる前提としての資料(相続相関図や法定相続割合)の作成が業務になります。

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