法定相続人の範囲と優先順位

民法では、相続によって財産を受け継ぐ人が決まっています。

遺言による指定がなく、相続人どうしでの話し合いによる遺産分割協議も不調に終わったときには、法律で定められた相続分の割合で遺産を分割します。この割合を法定相続分といいます。


相続をすることのできる親族については、法律でその範囲が決められています。親族ならば誰でも相続人になれるわけではありません。たとえば、亡くなった人に子供がいれば、亡くなった人の父母や兄弟姉妹には相続権はありません。これを法定相続人といいます。         

法定相続人は、配偶者と子、父母、兄弟姉妹などの血族関係者からなります。普通、身分関係は明らかと思われますが、まずは戸籍を調査して、相続人を確定することから始まります。

30ケース別早分かり法定相続

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配偶者は最優先、他に相続人がいる場合は順位によって異なります。

第一順位である被相続人の子供は、被相続人の配偶者がいない時には、子供の人数で均等割りにした分が法定相続分になります。配偶者がいる場合には、配偶者は全財産の2分の1が法定相続分です。子どもは、その残りの2分の1を子供の人数で均等割りにした分が法定相続分になります。


第2順位である被相続人の父母は、被相続人に子供がいない時に相続権があります。配偶者がいないときには、全財産を人数で均等割りにします。配偶者がいる場合には、全財産の3分の2が配偶者の法定相続分で、その残りの3分の1を、父母が均等に相続します。


第3順位である被相続人の兄妹姉妹は、被相続人の子供及び父母がいない時に相続権があります。配偶者がいないときには、全財産を人数で均等割りにします。配偶者がいる場合には、全財産の4分の3が配偶者の法定相続分で、その残りの4分の1を、兄妹姉妹の人数で均等に相続します。


代襲相続

相続開始前に、相続人たる子または兄妹姉妹が死亡していたり、欠格または排除によって相続権を失っているときは、その相続人の子が代わって相続人になります。

直系尊属と配偶者には代襲相続は認められていません。つまり代襲相続人になれる方子は、被相続人の直系卑属(血すじ)でなければなりません。

この代襲相続は、兄妹姉妹が相続人となる場合にも認められています。被相続人の兄妹姉妹が被相続人より先に死亡等したときは、その子(被相続人の甥・姪)が兄弟姉妹に代わって相続人になります。しかし兄弟姉妹の場合は、直系卑属の子と違い、一代限りしか代襲相続が認めらていません。


相続人は戸籍で確認します

相続人である事を客観的に証明するのは戸籍になります。通常の戸籍謄本以外に、亡くなった人が、生まれた時からなくなるまでの、連続したすべての戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍謄本が必要になります。
戸籍謄本は現在の本籍地のある市区町村役場、除籍謄本は当時の本籍がある市区町村役場、改製原戸籍は本籍の改製原なら現在の本籍の、除籍の改製原ならば除籍当時の本籍のある市区町村役場になります。


相続欠格と排除

相続欠格は、一定の事由により法律上当然に相続の資格がないとされることです。

本来ならば当然相続人になるはずの者でも、被相続人に対してひどい仕打ちをした者については、法律で相続人としての資格を奪っています。だだし、欠格者の子供は、欠格者に代わって、相続人(代襲相続)となることが許されています。

この一定の事由とは、故意に被相続人、先順位の相続人または同順位の相続人を死亡させまたは死亡させようとしたために、刑罰を受けた者や、被相続人が、遺言をする際、詐欺・強迫をした者、または遺言者を偽造・変造・破棄・隠した者が該当します

一方相続排除は、相続人の意思により、遺留分を有する推定相続人の相続権を奪うことです。

本来なら当然に相続人になれる者のうち、特に遺留分を持つ相続人(配偶者・直系卑属・直系尊属)が、被相続人を侮辱したり虐待したとき、または犯罪などの著しい飛行があったときには、被相続人は家庭裁判所に、相続人の資格を奪ってもらうための請求をおこすことができます。家庭裁判所での審判の結果で廃除する事ができます。

相続排除は、生前の廃除と遺言による廃除が認めらています。また、廃除は被相続人の意思でいつでも取り消すことができます。

遺産配分の基本的な考え方

遺産配分は、指定相続分と法定相続分に分かれます。

被相続人が遺言書を残した場合は、原則的にその遺言で示された割合が最優先します。これが指定相続分です。


ただし、「遺留分」の規定がありますので、法定相続人が最低限度相続できる割合が決められています。その権利者は第一・第二順位の方に限られています。         

遺言がない場合は、民法で定められた割合に基づいて相続分が決定されます。これが法定相続分です。法定相続人の順位や人数によって割合が決められています。


戸籍調査について

日本国において、相続関係を証明する事ができるのは唯一戸籍(原戸籍、除籍含む)だけです。正確な相続関係を確定するために戸籍調査が必要になります。

遺産相続では、正確な相続関係を把握しなければ前に進みませんし、手続においても戸籍が要求されます。相続について何かしようと思うと、『被相続人の出生から死亡まで繋がった戸籍』や、場合により『被相続人の父母の出生から死亡まで繋がった戸籍』が必要になります。

被相続人・相続人の戸籍は、ご自分で取り寄せる事ができます。また行政書士等に依頼することも可能です。その場合には委任する内容を明確にした委任状が必要になります。業務を行うにあたって戸籍を収集する必要があることが前提条件になります。


正当な事由が無い戸籍調査には応じられません。家系図作成の為は正当な事由になりえませし、単なる身元調査等は論外の事由になります。

行政書士は適正な業務範囲を順守し、正当な理由がなく、その業務上取り扱った事項について知り得た秘密を漏らしてはならない守秘義務と併せて、事実証明の書類作成を行います。


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