地域福祉権利擁護事業を略して地権事業と呼びます

成年後見制度と係わりが深いのは、地域社会福祉権利擁護事業(以下権利擁護事業)と介護保険制度です。成年後見制度を利用するには半年以上の期間が掛ります、それと比較すると権利擁護事業はもっと身近です。

権利擁護事業は、判断能力が十分でない方や、身体にハンデがある方の地域での暮しを支える制度として、介護保険制度の半年前から行われています。具体的には、利用者の参加を得て福祉サービス利用援助や日常的な金銭管理等を支援計画を作成し、それに基づき実施主体(市区町村)が本人と利用契約を締結して、生活支援員が行います。

利用者は、判断能力が衰え始めた高齢者や知的障害者になります。

地権事業のサービス内容

日常生活の支援と援助が主体です

1.福祉サービスの利用にあたっての相談・助言、手続き代行。

2.公共料金の支払いや年金受取などの日常的金銭管理。

3.預貯金通帳や権利証などの書類の預かり。

ただし、施設契約などの高額な費用が必要な契約や、不動産の処分などは除外されています。

このサービスを利用するためには、居住している区市町村の社会福祉協議会(社協)との契約によります。

利用者に、地権事業制度や契約内容を十分に説明し、利用者の理解を得る必要がありますので、ケースによっては相当の時間を要する場合があります。

社会福祉協議会以外の仕組み

地域包括支援センター・福祉事務所・民生委員

地域包括支援センターとは、高齢者が住み慣れた地域で尊厳ある暮らしを継続できる様に、高齢者やその家族を総合的に支援する事を目的としています。事業内容は、1.介護予防事業のケアマネジメント。2.高齢者や家族に対する総合的な相談・支援。3.高齢者の虐待の防止、早期発見等の権利擁護事業。4.包括的・継続的ケアマネジメントのための支援です。

福祉事務所は、生活保護法のよる保護の実施を始め福祉の総合的窓口として区市町村に設置されています。業務内容は、1.生活に困窮している人の相談(生活保護の実施)。2.児童・家庭の福祉についての相談。3.知的障害者の福祉についての相談。4.母子福祉についての相談。5.身体障害者の福祉についての相談。6.高齢者福祉についての相談。です。

民生委員は、都内では各地域に配置され、担当する地域が定められ身近な地域で活動しています。業務内容は、地域住民の子育てに悩んでいる人、生活に困っている人、高齢者や障害者などの福祉に関する様々な相談に応じ、福祉事務所や児童相談所などの各種関係機関への橋渡しなど必要な支援活動です。

区市町村長による成年後見審判等の申立は、「福祉を図るために時に必要があると認めるとき」に本人の住所地を管轄する家庭裁判所へ、区市町村長が後見開始等の審判を申立てることができます。

平成17年度の東京都45区市での申立て件数は270件ほどで、社協・地域包括支援センター・福祉事務所・民生委員など、社会福祉との係りが発端であるケースが増えています。

成年後見制度と地権事業との関係

地権事業は社会福祉

高齢者や知的障害者の方が、自らの日常生活を維持するために援助を必要とする場合や、判断能力や体力の衰えにより生活の維持が困難な場合に、社協等と契約して必要な福祉サービスや日常的な金銭管理、書類の預かりなどを利用されています。

利用者が、法律行為に必要な判断能力を喪失している場合には社協等と契約することはできませんし、利用継続中に判断能力を喪失した場合は、その利用を中止しなければなりません。

社会福祉法を根拠としている地権事業や市区町村長申立てと、成年後見制度の違いはこの制度は法務省が所管する司法制度であることです。

本人の判断能力が不十分になった以降では、成年後見制度を利用して、本人の身上監護及び財産管理を行う必要があります。

ただし、両者は互いに独立した物ではなく、相互に補完し合う関係にあります。地権事業を利用することで、本人への援助や支援の輪が広がり、専門的な情報も直接しる機会が増えてきます。


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