行政書士業務

事実証明に関する書類の作成

行政書士の業務は、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する、権利義務・事実証明に関する書類を作成する事を業としています。

ここでの書類の作成には、「その業務を行うことが他の法律において制限されているものについては、業務を行うことができない」と規定されています。具体的には、弁護士法・司法書士法・税理士法・社会保険労務士法・弁理士法・海事代理士法・建築士法・土地家屋調査士法による各士業の独占業務です。

他にも行政書士法による様々な規定があります。その中に「行政書士の責務」として、行政書士は、誠実にその業務を行うとともに、行政書士の信用又は品位を害する行為をしてはならないと記されています。


また、「秘密を守る義務(守秘義務)」として、正当な理由がなく、その業務上取り扱った事項について知り得た秘密を漏らしてはならない。行政書士でなくなった後も、同様とすると記されています。ここでの正当な理由とは、法令に基づく場合や、人の生命・身体又は財産の保護の為に必要がある場合です。


行政書士という職業の由来は、江戸時代に行われていた手紙や嘆願書などの代筆業であると言われています。明治時代の始めは、現在の弁護士・司法書士・行政書士は全て「代書人」とされていましたが、まず弁護士の業務を規定する「代言人規則」ができ、その後「司法代書人法」、「代書人規則」が確立され、前者は司法書士、後者は行政書士と、それぞれの職業が分離されました。


1.権利義務に関する書類の作成とその代理、相談業務

行政書士は、「権利義務に関する書類」について、その作成(「代理人」としての作成を含む)及び相談を業としています。 「権利義務に関する書類」とは、権利の発生、存続、変更、消滅の効果を生じさせることを目的とする意思表示を内容とする書類をいいます。 「権利義務に関する書類」のうち、主なものとしては、遺産分割協議書、各種契約書(贈与、売買、交換、消費貸借、使用貸借、賃貸借、雇傭、請負、委託、寄託、組合、終身定期金、和解)、念書、示談書、協議書、内容証明、告訴状、告発状、嘆願書、請願書、陳情書、上申書、始末書、行政不服申立書等があります。


2.「事実証明に関する書類」に関する作成とその代理、相談業務

行政書士は、「事実証明に関する書類」について、その作成(「代理人」としての作成を含む)及び相談を業としています。 「事実証明に関する書類」とは、社会生活にかかわる交渉を有する事項を証明するにたる文書をいいます。 「事実証明に関する書類」のうち、主なものとしては、実地調査に基づく各種図面類(位置図、案内図、現況測量図等)、定款、各種議事録、会計帳簿、申述書等があります。

具立的な権利義務・事実証明の業務とは

1.「遺言書を作りたい」、「相続手続きをしたい」

通常、遺言には、自分で作成する「自筆証書遺言」、公証人に作成してもらう「公正証書遺言」、遺言の内容を秘密にできる「秘密証書遺言」の3種類があります。 行政書士は、これら全ての遺言書作成の支援(「公正証書遺言」では証人になる等、「秘密証書遺言」ではその作成等を含む)を行います。 また遺産相続においては、(1)遺産の調査、(2)相続人の調査、(3)相続人間の協議、(4)※「遺産分割協議書」の作成、(5)遺産分割の実施の順で手続が行われていきますが、行政書士は、そのうちで「遺産分割協議書」の作成とともに、それに向けた諸手続を一貫してお引き受けします。 ※遺産の調査と相続人の確定後に相続人間で行われた遺産分割協議で取り決めた内容を書面にしたもの


2.「債権、債務に関する手続きをしたい」

行政書士は、債権債務問題の解決に向け、債権者または債務者の代理人として、必要な書類の作成を行います。 そして、債権者と債務者との間で協議が整った場合に「和解書」等も作成します。


3.「交通事故を解決したい」

行政書士は、当事者(加害者または被害者)の依頼に基づいて、交通事故に関する調査、保険(自賠責・任意)の請求手続を行います。 また、被害者に代わり、後遺障害の認定に基づく損害賠償額算出の基本資料作成、損害賠償金の請求手続等を行います。 そして、加害者、被害者双方間で示談が成立した場合は「示談書」を作成します。


4.「契約書等を作りたい」

土地、建物等の賃貸借や金銭の消費賃借等を行う場合は、その内容を書面に残しておくことにより後々の紛争予防になります。 行政書士は、これら契約書類の作成をはじめ、発生したトラブルについて協議が整ったときには、「同意書」等の作成も行います。 また、クーリングオフの通知等に際しては、代理人として「内容証明」を作成し、相手方への通知をいたします。


5.「公正証書をつくりたい」

「公正証書」は、公証人が権利義務に関する事実につき作成した証書です。 「公正証書」は、強い証明力があり、また、一定の要件を備えた「公正証書」は、執行力をもちますので将来の紛争予防に大きな効力があります。 行政書士は、契約書等を「公正証書」にする手続や「会社定款の認証」を受ける手続等を代理人として行います。 (行政書士は、公証制度の中で、電子文書により手続等をおこなう電子公証制度の活用を推進しており、電子文書による「会社定款の認証」では、印紙税が不要になります。)


行政書士が為し得ない他士業の独占業務

・法律事件(訴訟・非訴・行政庁に対する不服申立に関する行為)→弁護士

・「裁判所」「検察庁」「法務局」への提出書類→司法書士

・「税務書類」の作成→税理士

・労働・社会保険諸法に基づく申請・届出書・審査請求書等の作成→社会保険労務士

・「特許庁」への出願書類・意義申立書等の作成→弁理士

・船舶・港湾・海運関連法令に基づく書類の作成→海事代理士

・一定種類・規模の建築設計または、建築士の独占業務とされるもの→建築士

・不動産表示登記の申請書・調査測量図等の書類→土地家屋調査士


※行政書士は法律行為は出来ません。しかたがって紛争性のある事案は取扱できません。事実証明の法律事務に限ります。


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